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ついにはつかれ果ててしまい、みんなヘトヘトになってしまいました。
「わたしに、おまかせください」
声を上げたのは、メイドの中でも一ばん若いリカ子というむすめでした。
あれだけ走り回ったというのに、もう回ふくしたのか。若さとはこわいものだ……
マジメに、ふつうに、仕事をこなす――本当に“ふつうのメイド”に、一体何が出来るのか!
そう思っていたものの、リカ子以外のみんなはまだ回ふくし切れていなかったので。
彼女に全てをまかせることにしました。
コホンとせき払いを1つするとリカ子は、
「こんにちわ、スズメさん。こっちにおりて来て、いっしょにおしゃべりしましょう」
するとスズメはパタパタとリカ子の頭の上を高くとび回りながら、
「いやぁだぁよぉっと! おいらはオマエと話すことなんて何もないよっ!」
「まぁそんなこと言わないでください。それなら、そのままで良いですから。ちょっと聞いててくださいまし」
「フンだッ、何言ってもムダだよぉ。おいらはここを出ていかないつもりだかんね!」
スズメの言ったことにリカ子は目を丸くして、
「まぁ、どうして言おうとしてることがわかったのですか?」
「お前みたいなバカっぽいニンゲンの考えてることなんざお見通しさ。おいらをこっからおい出そうってんだろ?」
「出たくてとび回ってるんじゃないんですか?」
「ちがうやい! おいらはここが気に入ったのさ。外なんかさむくて、今日みたいな風の強い日なんかロクに飛べやしない。逆にここならあったかいし、気持ちよくいつでも自由にとべる。しかもオシャレでキレイだ。だからおいらは、出て行くつもりなんかないよぉーだっ!」
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