五月雨ライアー

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 教室につくと、すぐに先生が入ってきてホームルームを始めた。 「はい、今日の連絡は……昼休みに教材販売があります。皆さん五千円忘れずに持ってきましたか?今確認して、忘れた人は後で先生のところまで来てください」  先生がそう言うのを聞いて、何人かが慌てて財布の中身を確認する。ソウも一応財布の中身を確認すると、五千円札が二枚に千円札が六枚と高校生が持つには十分すぎる量が入っていた。  確認を終えると、ソウはちらりと右前の席の女の子の方を見た。彼女が済ました顔で髪をいじっているのを見て、ソウはそっと顔を伏せて、正面を向いた。 「さて、一時間目は私の授業なのでこのまま始めますよ……」
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