五月雨ライアー

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 教材販売から帰る途中、ソウは自販機コーナーに右前の女の子を見つけた。彼は都合よく今日自分が飲み物を持っていないことを思い出し、二人に言った。 「ちょっと飲み物買っていい?」 「あ、俺も買う」 「わかった」 「でさ〜その子がさ〜」 「マジ〜?」 女子生徒が会話をする(かたわ)らで千円札を入れて炭酸ジュースを買うと、ついてきた友達が言った。 「一口くれよ」 「一口千円ね」 「たけーよ」 そう言いつつも友達は大きく口を開いて、口をつけずに器用に炭酸を飲んだ。 「腹減ったな」 「じゃあ教室戻ろ」 「うん」 ソウは後ろ髪を引かれながらも二人と教室に帰り、昼食を食べた。
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