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残念ながらこの世のものは
意図なきものには見向きもしない
単なる恐怖 悲哀 にさえ
背景の物語を知りたがり
傷口を抉っただけの知識で満足する
どんなに残酷な物語にも
少なからず安らかな時間がある
しかしそれは物語を
より残酷たらしめる為の
「計算しつくされた布石」
だから日々は正常なのだ
安寧と狂気と悲哀と混乱と
今夜も筆をとる
堕落した御魂を戒めるかのごとく
終えた物語には新しい
エピソードを
さらなる混沌 さらなる希望
さらなる痛み さらなる・・・・・・
腐敗し半壊した家畜が 嗤う
そいつは崩れ落ちながら
最期の言葉を言い放つ
「つくられた幸福を ありがとう」
「これで ボクも」
残念ながらこの世には
作者様ってのがいらっしゃる
てめぇの塵芥の一喜一憂なんざ
所詮は作られた紛い物過ぎはしない
いい加減気づけよと諭したところで
これさえも作られた紛い物だと
悟るのだろうか
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