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彼の唇が、私の首筋をなぞるように触れていく。
耳の真下を吸われた時、これまで感じたことのない強い痺れが私の体にはしり、体が仰け反った。
「やあっ、」
「杏奈、ここ、弱いね。」
彼の口の端が少し持ち上がるのが、月明かりで分かった。
そう言った彼は、さっきと同じところに執拗に吸い付く。
「んんんっ、やめっ、…」
身を捩って逃れようとする私の体を、彼の腕が押さえつける。
そこばかりを吸うだけでなく、舐めたり甘噛みされて、私はとうとう、体に力が入らなくなってしまった。
彼の唇がやっとそこから離れた時、私は目じりに涙を浮かべて、肩で息をつく。
「杏奈、すごく可愛い……」
私の目じりに溜まった涙を拭いながら、修平さんが満足そうに微笑む。
私はこの時初めて、自分が下着しか身にまとってないことに気が付いた。
やだ!いつのまにっ!!
気付いた途端、つま先から頭のてっぺんまでが一気にカーッと熱くなった。
慌てて体を隠そうと、手を前に持っていこうとするけれど、それを彼の腕が素早く捕えて、シーツに押し付ける。
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