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「は、離して、修平さんっ」
「どうして?」
「だって……、は、恥ずかしいよっ」
隠れるところも無くて、自分の下着姿を見下ろされていることが、羞恥に耐えない。
「すごく綺麗だよ、杏奈」
目を細めて見下ろす彼からは、今まで見たことがないほどの色香が漂っている。
月光に照らされた白い肌は荒れたところもなくつややか。二重のはっきりとした瞳に、スッと通った鼻筋。その薄い唇が思ったよりも柔らかいことは、さっきから十分に教えられている。
こんなに整った容姿の人に、綺麗だなんて言われても説得力がないよ……。
そう思ったまま口を開いた。
「修平さんの方が、よっぽど綺麗だもん……」
ちょっぴり不貞腐れた気分と、恥ずかしさを紛れさせたくて、彼から顔を背けた。
すると。
「杏奈は全然分かってない」
ちょっと怒ったような声が返って来た。
「杏奈のくりっとした目は、いつだって好奇心に満ちて輝いてる。小さな口は見てるといつでも食べたくなるし、首筋から鎖骨にかけてなんて、すごく色っぽい。髪をくくってる時、俺がいつもここに口づけたくて堪らないのを必死で我慢してること、知らないでしょ?」
彼の舌がペロリとうなじを舐めるから「ゃあっ」と声が漏れる。
「その声も。いつもは鈴を転がすみたいに耳に心地いいのに、今は俺を煽ってる」
「そんなことな、」
「それから、杏奈の肌はすごく滑らかで吸い付くみたいに俺の手になじむよ?」
そう言いながら、私のむき出しの腰を撫でる。その手つきに体が思わず浮き上がった。
「も、もういいよっ!!分かったからっ!」
「ホントに?」
「本当!!」
彼の甘い口撃に耐え切れなくなって叫んだ。
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