13. ハプニングは忘れたころにやってくる!?

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 修平さんが私を運んだのはゲスト用のシャワールームではなくて、彼がいつも使っているバスルームだった。  パウダールームの椅子に私を降ろした彼は、「ちょっと待ってて」と言ってバスルームに入っていく。少しすると勢いのよい水の音が聞こえてきて、彼が湯船にお湯を張ってくれてるのだと分かった。  バスルームから出てきた彼が、棚の上からタオルとバスローブを出している。  「これ、使ってね。杏奈の下着とかも部屋から持ってきてあげてもいいけど、さすがにまだそれは恥ずかしいかな?」  「む、無理!」  「あははっ、だよね。何か他にいるものがあれば取ってくるけど?」  「大丈夫…ありがとう」  「うん。じゃあ、もうすぐお風呂が沸くと思うから、俺はリビングにいるから、何かあったら呼び出しボタンを押して」  「うん、分かった」  「じゃあ、ごゆっくり」  そう言って、修平さんはパウダールームから出ていった。  力の入らない足を何とか奮い立たせて、至る所に手を添えながらなんとか入浴を終わらせて、バスルームから出る時には最初よりはましに歩けるようにはなっていた。  修平さんの用意してくれたバスローブを羽織りながら、ふと「そう言えば、私の着ていた服ってどこだっけ……」という疑問が頭に湧いた。  けれどすぐにその答えが頭に浮かび、めちゃくちゃ焦った。  修平さんの部屋に脱ぎっぱなし…!    すぐに回収しなければ!と焦りながら足元を見ると、ランドリーバスケットの中に見覚えのある服が。私が着てた服だ!と持ち上げてみると、中からポロリと下着が落っこちた。それは修平さんの部屋に脱ぎ散らかされていたはずのもので―――。 「~~~っ!」  声もなく絶叫した。  せめて下着くらい回収してから風呂に入れば良かったと、後悔と羞恥の嵐に襲われた。    いったん自分の部屋に戻って新しい衣服に着替えたわたしは、リビングに戻る。  昨夜のあれこれや、ついさっきの失敗が恥ずかしすぎて、修平さんの顔をまともに見れるか自信がない。  ドキドキしながらリビングの扉を開けた瞬間、甘い匂いに包まれた。
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