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「んん~っ!木の芽和え、いい香り!!天ぷらもサクサク~~っ!」
自分で作ることなんて絶対不可能なお料理の数々に舌鼓を打つ。
「美味しいねっ、修平さん!」
隣を向いてそう言うと、彼も私を見て「うん、すごく美味しい」と微笑みをくれる。
「こんなに上手くとは行かなくっても、もう少し美味しく和食が作れるようになるといいなあ…エビフライなら何とか作れるけど、海老天はこんなにサクサクプリプリにはならないんだよね……」
大きな口でかぶりついて半分ほど無くなった海老天を見ながら、自分の料理の腕を嘆く。
「杏奈のエビフライだってすごく美味しかったよ。さすがお父さんからの直伝だと思う。他の料理だっていつもすごく美味しいし」
「ありがとう、修平さん。でも天ぷらも上手に揚げれるようになりたいんだよね。今度佐倉さんが来たら聞いてみようかなぁ」
「良いと思うよ。一応佐倉さんには『杏奈へのお料理指導中心に』って連絡しておくよ」
「本当!?ありがとう!」
「ちょっと、どういうことなんだ」
テンポ良く会話が弾んでいた私と修平さんの間に、父の地を這うような低い声が割って入った。
「まるで、杏奈の手作り料理を一緒に食べてるような会話のように聞こえるが、いったいどうなっているんだ!?杏奈は火事の後、職場の友人の家にお世話になっていると言わなかったか?」
父の指摘に、心臓が飛び出しそうなくらい跳ね上がった。
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