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「は～～っ、何とか認めて貰えて良かった…」
車を運転している修平さんが、お店の駐車場を出た瞬間、心底ホッとしたようにそう言った。
本当だったら私は今夜実家に泊まることにしていたのだけれど、なんとなくこのまま修平さんと別々になるのが嫌で、両親にはまた別の時に帰ると伝え、彼の車に乗り込んだのだった。
「色々ごめんね……こんなことになるなんて思わなくって……」
そのつもりはなくとも、彼を巻き込んでしまったことに罪悪感を覚える。
助手席からそっと窺い見ると、チラリと私の方を見た彼と目が合った。すぐに前に視線を戻した彼の顔が笑っていて、私もホッと息をつく。
「いや、結果的には良かったのかも。最初はびっくりもしたけど、ご両親のお許しも頂けたことだし」
修平さんの言うように、父も母も私たちの交際を認めてくれた。しかもそれだけでなく、このまま一緒に暮らすことにも許可が下りたのだ。
母曰く、「そそっかしい杏奈に一人暮らしをさせて、また同じような心配をするくらいなら、信頼のおける人にそばにいてもらった方が安心」ということだ。
「なんか、複雑……」
その時のことを思い出してぼやくと、運転中の彼が「あはは」と笑う。私は彼が笑ってくれていることにホッとしつつも、「あの時は修平さんのことを置いて飛び出しちゃって本当にごめんね」と改めて謝る。
すると彼が、思わぬことを言った。
「いや、二人きりで話せてかえって良かったのかもしれない」
「どういうこと……？」
「隆弘さんに言ったんだ。『杏奈さんのこと、ご両親に負けないくらい大事にする』って」
「修平さん……」
「その時初めて、隆弘さんは俺のことをじっと見た。黙ったままだったけど、そのあとポツポツと杏奈との思い出を話してくれたから、きっと信用してもらえたんだって思ったよ」
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