14. あなたに伝えたいこと。

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 「やだ…って、そんな子どもじゃないんだから」  「杏奈をじっくり味わいたい」  真剣な瞳でそう言われて、絶句した。  子どもみたいに駄々をこねて、その一方で、大人の男性として甘い言葉を私に惜しみなく注ぐ。そんな彼の二面性を知って、私は嬉しい反面ちょっと可笑しくなった。  「くすっ、なにそれ……ふふふふふっ……」  「杏奈?」  「修平さんてば、子どもなのか大人なのか分かんないっ、ふふっふふふ…」  コロコロと笑い転げる私のことを、修平さんは黙って見つめている。  笑いの合間に彼の顔をチラリと見ると、顔が真っ赤に染まっていて、その珍しい現象に私の笑いはたちまち引っ込んだ。  「修平さん、顔赤いよ?」  「っ!う、うるさいなっ…!」  照れ隠しの彼の言葉が少し乱雑になる。いつも優しく話す彼の、滅多に出さないその口調に、胸が高鳴った。  だって、すごく恋人っぽい!!  心の中で興奮する。これまでの同居生活には無かった砕けた遣り取りが、私たちの距離がずっと近くなったことを教えてくれる。
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