14. あなたに伝えたいこと。

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 そんな私の気分なんていざ知らず、修平さんが私の額に唇を寄せる。  「可愛くない態度を取る、杏奈が可愛すぎて困るよ」  よく分からないことを言う修平さんを、下から睨み上げる。そんな私の目じりに「ちゅっ」とリップ音を立てた彼は、瞳をキラキラとさせながら、満面の笑顔を浮かべた。  「杏奈にヤキモチを妬いてもらえるなんて、嬉しすぎる。ヤキモチを焼く杏奈の顔も可愛すぎるんだな」  ニコニコと本当に嬉しそうに言われたその台詞に、頭の中が真っ白になった。  「俺、作家としての『橘ゆかり』さんのことは好きだけど、目の前の彼女が隆弘さんと仲良くしてても、全然なんとも思わなかったよ?でも、杏奈が隆弘さんと仲良くするのは、全然妬ける」  「え?親子だよ!?」  「もちろん。そうじゃなかったら許さない」  彼の突然の発言に目が点になる。  「俺ばっかり妬いてるのかと思ってたから、杏奈にヤキモチを妬いてもらえるなんて、嬉しすぎるんだ」  「修平さん……」  「ヤキモチだって、杏奈が俺のことを好きな証拠でしょ?」  甘い瞳で優しく見下ろされて、胸が熱くなった。  下ろしていた腕を彼の体に回して、ギュッと抱きつくと、彼もそれ以上の力で抱きしめ返してくれる。  「……ごめんなさい」
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