14. あなたに伝えたいこと。

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 彼が私の膝裏に片手を回して、素早く持ち上げた。  「えっ!?」  何度目かの『お姫様だっこ』に、頭が真っ白になる。私が状況を把握する前に、修平さんはスタスタとベッドルームの方へ歩いて行った。  ベッドに私を降ろした途端、彼がのしかかってくる。  「ちょ、ちょっと待ってっ!」  両手を彼の胸の前に押し当てて、『マッタ』をかける。  「なんで?」  首を傾げ、『こうするのが当たり前』という顔の彼は、『どうして止めるの?』と言いたそうな不満げな表情を浮かべて私を見下ろしている。  すぐ目の前にある瞳は、妖しげな光を湛え、今にも喰らいつきそうなほどの欲情がはっきりと浮かんでいた。  「あ、あの、だって、」  「だって?」  返答如何では、今すぐ襲いかかってくる勢いの彼に、私は叫んだ。  「一日働いてお腹空いたし、汗かいたからお風呂にも入りたい!ルームサービス、食べさせてっ!!」  ありのままの訴えが部屋に響く。  静けさが二人の間に降りた。  と、その時。  ―――ピンポーン  静寂を破るように、呼び鈴が鳴った。
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