6071人が本棚に入れています
本棚に追加
/271ページ
音が鳴ってすぐ、修平さんは私の上にパタリと倒れ込んできた。
「修平さん！？」
「……は～～っ」
深い溜息をついた彼が、私の胸の上から目だけで見上げてくる。
「なんかこの展開、前もあったな……」
「そ、そうだっけ？」
同居し始めたばかりの頃の、ピザのデリバリーのことだとすぐに分かったけれど、知らないふりをする。
「ま、いいけど」
拗ねた口調の彼が私から体を離して起き上がる。ベッドから降りて入口の扉の方に歩き出そうとしたところで、私の方を振り向いた。
「ルームサービス食べたら、一緒にお風呂に入ろう。それでチャラにするよ」
意地悪そうな瞳でニヤッと笑った彼は、ベッドに私を残してルームサービスを受け取りに出ていった。
『チャラ』って……！？
突然の彼の要望をゆっくりと理解した私は、赤くなった顔をすぐに青くして、しばらくベッドから起き上がることが出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう！