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[2]【温かな朝 side修平】
遮光カーテンの隙間から朝陽が差し込んできて、瞼を下ろしたままでも朝になったことが分かる。
朝は苦手じゃないけど、今は少し体がだるい。寝てる間に汗をかいたのか、少し湿気って冷えたパジャマが気持ち悪い。
そろそろ起きようか。そう思って窓の方を向いて寝ていた体を、目を閉じたままゴロリと反転させた。
すると伸ばした左手の指先に、柔らかい毛の感触が。
アンのやつ、またドアを開けて入って来たな。
普段アンジュは、リビングのストーブの横にある専用クッションの上で寝ているけれど、時々こうして自分でドアを開けて入ってくる。
まあ、そういう時は俺が大体仕事で精神的に疲れていたり、落ち込むことがあったりする時なのだけれど。
目を閉じたままアンジュの柔らかい毛並みを撫でた。
心地の良い感触に、アンジュの頭を撫でながらウトウトと再度眠りに落ちそうになった、その時―――。
ぺロぺロ、と頬を生温かいものが舐めた。
「ん…、分かった…もう起きるから……」
目を開けると、視界にアンジュのドアップ。
「おはようアン……て、あれ…?」
アンジュはすぐそこにいるのだから、伸ばした手が触れるわけない。
「じゃあ、今撫でてるのは……」
ビックリして自分の左手の先を見ると、そこにはベッドに頭を持たせながらぐっすりと眠る宮野さんがいた。
気持ち良さそうにスース―と寝息を立てて眠っている。
「なんで、彼女がここに……」
呟いて、ゆうべ彼女と交わしたやり取りに頭を巡らせた。
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