6. 自分で頑張るって決めたから……

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 しばらく声を上げて泣き続けたら、だんだんと落ち着いてきた。  スン、と鼻を鳴らして目の前を見ると、そこには私の涙でぐっしょりと濡れた肩が。  「ご、ごめんなさいっ!私ったら」  慌てて両手をついて瀧沢さんから離れようとした。  けれど彼は逆に腕に力を入れるから、わたしはべったりと頬を彼の胸に付けることになる。  「た、た、瀧沢さ…ん」  焦る私に、彼は何も言わない。  どうしたら良いか分からなくて、そのまま彼の胸にくっついているしかない。  耳元から、すこし早めの心臓の音が聞こえる。  思いっきり泣いて少し気怠い体に、そのリズムと温かさが心地良い。  腫れぼったい瞳をそっと閉じた。    どれくらいそうしていたんだろう。  瀧沢さんの腕が少し緩んで、頭のてっぺんに柔らかくて温かい何かが触れた。  なんだろう、と閉じた目を開いて顔をあげると、瀧沢さんと目が合う。  その瞳が揺れていた。   それは、困ったような、弱り切ったような、でも照れくさそうな、そんな顔で。  「ああ、俺は……君のこと守りたくて仕方ないみたいだ……」  そう言って私の額に、そっとその唇を押し当てた。
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