6. 自分で頑張るって決めたから……

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 [3]  久しぶりに食べたピザはとても美味しかった。    食事の間、修平さんはさっきまでの遣り取りなんてなかったみたいに普通だった。    最近読んだ本の話とか、お嫁に行ったお姉さんとの幼い頃のエピソードとか、あと、図書館での資料の検索方法とかを私に尋ねたり、他愛のない話をしながら、時折私にも話を振ってくれたりして、和やかに二人でピザを食べた。  一緒に食事を取るのが二回目だなんて思えないくらい、リラックスして食事することが出来たなんて、自分の事なのにビックリしている。    きっとさっきはからかわれただけ。  食事に使ったお皿やグラスを洗いながら、自分の自意識過剰さが恥ずかしくてなる。    いくら男性に慣れてないとはいえ、知識だけなら今まで読んできた数々の本で学んだもん……。  恋愛小説のヒロインみたいなことが、こんな私の身に起きるわけないんだから……。  心の中で自分を戒めてみて、それから「でも、」と一拍置いて考える。    修平さんだって、あんな風に触れてくるなんてちょっとズルイ。  きっと女性慣れしてるんだ。  そりゃそうだよね、あんなに素敵な男性を世の女性たちが放っておくなんてありえないもの……。  そう思うと、なんだか胸の奥がきゅうっと絞られるような感じがした。  その感覚を振り払いたくて、「こんな地味な私をからかって遊ぶなんて、ヒドイ!!」と心の中でプリプリと怒ってみる。  そして最後に「は~~」と長い溜め息をついた。
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