7. 二人と一匹暮らし、始めました。

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 さっきは息を切らしながら自転車で上がってきた坂道を、今度は小走りに下りていく。  私は何かに追われているように後ろを振り向くことが出来ず、前だけを向いて足を動かした。    坂道を下りきって、河川敷に出る。  小走りで一気にここまで下りてきたせいで息が切れた私は、河川敷の遊歩道に下りてから足を止めた。  「修平さんのこと、無視して来ちゃった……」  あの時、何か言いかけた彼の事を見もせずに飛び出して来たことが気にかかった。  それと同時に、彼の隣に立っていた女性のことが思い浮かぶ。  大人っぽくて知的な雰囲気を纏ったその女性はとても綺麗な人だった。  色白で小さな顔。遠目にも分かるくらいパッチリとした瞳。  落ち着いたブラウンの髪はクセなんて全然なくて、細い体に身に着けた上品な服を素敵に着こなしていた。    修平さんと彼女が並んで立つと、美男美女でとてもお似合いだった。     どこをどう比べても私とは全然違う……。  自分の容姿と彼女を比べる必要なんて全然ないはずなのに、どうしてかその考えを振り切ることが出来ない。  薄暗くなった川面に映る自分の姿を見つめたまま、しばらくそこから動けなかった。  
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