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次の日は月曜日。
私はもともとのシフトでお休みだ。修平さんは怪我をしてから初めての出勤だった。
市内にある職場までは車で十五分足らずと言っていたけど、私は心配で何度も「気を付けてね」と言いながら彼の後を着いて車まで見送った。修平さんは、そんな私を安心させるように「ありがと。大丈夫だよ」と微笑みながら頭を撫でて、車にゆっくりと乗り込んで出勤して行った。
修平さんを見送ると、朝食の後片付けをしてからお洗濯だ。
彼の家に居候するようになって初めての洗濯なので、随分と溜まっている。アパートから持って来た濡れた衣類もあった為、結構な洗濯量になってしまっていた。
「今日はいいお天気♪洗濯が良く乾きます、っと♪」
鼻歌交じりに次々と洗濯物を取り出していく。
この家の洗濯機は最新のドラム式。スタイリッシュなそのデザインは、お洒落なパウダールームの景観を損なっていない。
手に持った洗濯物を、パンパンと勢いよく振り捌いたその瞬間、
「ぎゃ~~~っ!!」
私が手に持っていたのは修平さんのボクサータイプの下着。思わずそれを放り投げてしまった。
だって父親以外の下着なんて触ったことないんだもん…!
絶叫を上げたわたしは、一人真っ赤になってパウダールームで石膏像のように固まった。
ああ、そっか…だから修平さんは「洗濯は杏奈の分だけでいいよ」って言ってくれたんだ……。
放り投げられてドアの近くまで飛んでしまった下着を、目視することすらできない。心臓がバクバクして、背中を汗が流れる。
ど、どうしよう!?放置しとくなんて出来ないし、干すにしても戻すにしてもアレを拾わなきゃ……。
そう考えてたらさっきまで赤かった顔が、今度はみるみる青くなった。
「どうしよう~~~!」
半泣きになりながら叫んだ。
すると───。
「なにかお困りですか?」
ドアの横から腕が現れて、落ちた下着をヒョイっと掴んだ。
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