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コウタが突然押し掛けてきたのは一月三十日。日曜日の夜だった。
「あの人の女癖の悪さは病気みたいなものだ。そう簡単には治らない。それよりも母親をひとりで残して来て大丈夫なのか?」
「母さんにも好きなひとがいる」
「そうか」
父親と母親に見捨てられ帰る場所を失くしたコウタ。自暴自棄になり家出をしたものの行くあてがなく、母親に聞いていた俺の住所を思い出し高速バスと路線バスを乗り継ぎ訪ねてきたのだ。
可哀相だとは少しも思わなかった。
コウタの母親が原因で父と母は離婚している。
いい気味だ。
ざぁまみろ。
何度そう思ったか。
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