めも

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4/30  4月最後の日に気づいたことは、未だに僕のこの駄作を誰も見ていないことです。拙い文字たちが審美眼を研ぎ澄まされた方々に読まれるのは些か恐ろしいものですが、5日目になって、未だ誰の目にも触れていないというのもそうそう恐ろしいと思います。とか言ってると、僕はだんだんこの文字達にも申し訳なくなってくるのです。僕が構築した文に組み込まれたばっかりに、「拙い」とか散々言われて、今にも怒られそうです。  どうせ僕が寝てから、「あーあ、はずれだはずれ。こんなやつに使われるなんて。(拙)」「賛同する。吾輩は、こんな青二才ではなく、著名な作家に使われたかった。(最)」「ほんとよ!私、告白の手紙の丸文字が良かったのに!(美)」とか言ってるんです。畜生め。僕の知ったことか…だってしょうがないじゃないか…。畜生って書いたら太宰治の畜犬談を思い出しました。僕は今太宰にかまってる暇は有りません。芥川の半巾を読まなきゃならないのです。なにしろ仕事なので仕方がありません。芥川の文字たちはきっと誇り高くて僕には手に終えそうにないのですが、やらないわけにはいかないのです。では、髪乾かします。
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