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―――…
――――――……
『断ったんだ?』
「初対面だよ?つき合えないでしょ?」
『あれ?昨日、彼氏欲し~い!、とか言ってなかった?』
「それとこれとは別…」
『へぇ~、つき合ってみたらいいんじゃない?それとも、まだ初恋の先生のことを想ってるの?そんなの超える人探してたら一生彼氏できないと思うけどなー』
「そう言わないでよー。それに、初めて会う1年生とかなかなか厳しくない?」
『んー…、それでも初恋を拗らせたままよりはいいと思う』
次の日、教室で和音に昨日の一部始終を話した結果、『つき合えばいいのに』と言われた。
だけど、いくら彼氏がいない暦12年で絶賛恋人募集中だった…といっても、初対面の年下男子に即決する度胸なんてない。
それに、初恋のドキドキはまだ当分忘れられそうにないのも事実。
数年前のたった1ヶ月の出来事だったのに、かなと先生を思い出すと、それ以上のトキメキなんて誰に対しても感じないから、正直、彼氏ができる自信なんかない…。
そんな私は、たしかに初恋を拗らせているみたいだ。
『じゃあさー、中身を知ったら、つき合うかもしれない?でも、その前に顔は?イケメンだった?』
「うーん…、まあ、ね。中身なぁ…どうなんだろう?」
そもそも外見はどんなだっけ?
綺麗な顔、だったよね…。雰囲気は大人びていたけど、……童顔?優しそうな感じではあったと思う。
で、背は…ちょっと低め?
でも、そんなに気になるほどでもないし…というか、中1なんだから、伸びるのはこれからだよね。
そういえば、華奢な体格なのに、姿勢…のせいなのかな?
随分と風格のある佇まいに、この人、ステージ映えしそう…とか関係ないことを頭の片隅で思ったっけ…。
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