第1番 可愛い子犬

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―――… ――――――…… 『断ったんだ?』 「初対面だよ?つき合えないでしょ?」 『あれ?昨日、彼氏欲し~い!、とか言ってなかった?』 「それとこれとは別…」 『へぇ~、つき合ってみたらいいんじゃない?それとも、まだ初恋の先生のことを想ってるの?そんなの超える人探してたら一生彼氏できないと思うけどなー』 「そう言わないでよー。それに、初めて会う1年生とかなかなか厳しくない?」 『んー…、それでも初恋を拗らせたままよりはいいと思う』 次の日、教室で和音に昨日の一部始終を話した結果、『つき合えばいいのに』と言われた。 だけど、いくら彼氏がいない暦12年で絶賛恋人募集中だった…といっても、初対面の年下男子に即決する度胸なんてない。 それに、初恋のドキドキはまだ当分忘れられそうにないのも事実。 数年前のたった1ヶ月の出来事だったのに、かなと先生を思い出すと、それ以上のトキメキなんて誰に対しても感じないから、正直、彼氏ができる自信なんかない…。 そんな私は、たしかに初恋を拗らせているみたいだ。 『じゃあさー、中身を知ったら、つき合うかもしれない?でも、その前に顔は?イケメンだった?』 「うーん…、まあ、ね。中身なぁ…どうなんだろう?」 そもそも外見はどんなだっけ? 綺麗な顔、だったよね…。雰囲気は大人びていたけど、……童顔?優しそうな感じではあったと思う。 で、背は…ちょっと低め? でも、そんなに気になるほどでもないし…というか、中1なんだから、伸びるのはこれからだよね。 そういえば、華奢な体格なのに、姿勢…のせいなのかな? 随分と風格のある佇まいに、この人、ステージ映えしそう…とか関係ないことを頭の片隅で思ったっけ…。
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