さいごの幸せ

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次に目が覚めた時、俺はベットの上で寝ていた。 側には、老年の優しそうな女性が腰掛け、俺を見つめている。 「やっと目をさましたんだね。安心をし。  ここは私の家だよ。」 女性は優しく俺に語りかけた。 「あんたは今日からうちの子だよ、タロウ。      今日からは私があんたのお母さんだ。」 女性の言葉で俺は嬉しさがこみ上げた。 やっと俺にも家族ができた。 憧れていた家族。 しかもお母さんができた。 お母さんとの生活は俺にとって、最高の幸せだった。 俺を引き取ってくれたお母さん。 大好きなお母さん。 温かな食事、温かな寝床。 そして休日には公園で一緒に散歩もした。 こんな幸せな時がずっと続くといいな! そう思いながら幸せに満ち溢れた日々を送っていた。 だが、幸せは長くは続かなかった。 お母さんと暮らし始めて3年後の春。 俺は床に伏せた。 ある日、俺は体調を崩して、お母さんと一緒に病院へと向かった。
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