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10分後、顔が紫色になり道路に倒れた二人をちらりと見て、ルークはその場から離れていった。
まさよしはハチに刺され続けた傷から出血し、カラオケ店の近くに倒れていた。大貴があわてて包帯を巻き、血をハンカチでふく。まさよしは汗だくで、
体温も低くなっていた。
「(オレはスマホがなければ安心できなかったけど、この人を助けることだけを考えよう)」自分のコートを着せ、毒を爪で押しながら出していく。
体が温まってきたまさよしに「何か飲めそうですか?清涼飲料水持ってますけど。オレは大貴、高校生です」と声をかける。「ああ。少しもらえるか?」
と答え、まさよしはコップを手で持って飲む。息を吐き出し、「ありがとう」
と大貴の顔を見ながら言った。
「俺は宮木まさよし、会社でエナジードリンクを作ってる。最近売り始めたのはプルーン味だな」「よく買って飲んでます。おいしいですよね。え、宮木?優の父さんっすか?」
「ああ。さっき背中を蹴られたけど」「マジか。激高してたなあいつ」話しながらワールドポーターズの2階に入り、椅子に座って息を吐く。
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