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「美歌。横浜駅やここにはフクロウやネズミ、他の動物たちが住んでいる。
無人レジもあちこちにあるんだ」「へえ」8階建てのビルに入ると、リサイクルショップではハムスターたちが種を運び、走り回っていた。ウサギもいる。
「暖房がついてるから、子育てにはいい環境だね」「うん」優はハンドタオルを持つと、無人レジの前に立つ。顔を認識したカメラから『お買い上げ、ありがとうございます』と音声が流れた。
驚いている美歌の肩に、ふわふわしたハート形の顔が触れ、鋭いかぎづめでしっかりとつかまれる。足輪をつけた2羽のメンフクロウが、二人を見つめていた。
優の肩にももう1羽がとまり、羽を彼のフリースにつけていた。「フクロウカフェにいたみたい。どうやってここまで来たの?」と聞くと、摘まれた洋書
の上に乗ってから二人のところに戻る。
「美歌。これから桜木町まで行こうと思ってるんだけど、いいか?何が起きてるか、話すから」「わかった」二人はメンフクロウを肩に乗せたまま電車に
乗る。彼はラジオをリュックサックから出し、電源を入れた。
『僕は、給食のカレーのおかわりを配り忘れた同級生を殴っていました』小学生の男の子が話している。続いて男の声が聞こえてきた。
『僕の毒バチで刺して、失神させる』男の子の悲鳴が聞こえ、ラジオの
電源が切れた。
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