みなとみらいサバイバル

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 涙をハンカチでぬぐい、せきこむ。博人の肩に止まっていたメンフクロウが、優のところに戻ってきた。人差し指で頭をなでると、目を細めながら小さく鳴いた。  「こいつや美歌たちが一緒だから、俺は前向きになれる。あんたが誰かを そんな気持ちにさせたこと、あるか?」 まさよしはかすれた声で「優、彩葉。これからは美歌や他の人と一緒に生きて行ってほしい。俺はもう、家には戻らずこのあたりで過ごす」と言って、荒い息を吐きながら歩き去った。  「博人、テントの脚を広げてくれ。美歌は豚汁の具を切って」優は二人に声 をかけながら、防寒用のコートをリュックサックから出す。出来上がった豚汁を食べながら、博人が話し始めた。  「僕はいじめられてたんです。学校にも行けなくて、図書館で本を読んで 過ごしてました」「私と優ちゃんもそうだったよ。小学校3年から中学校1年 まで」美歌はそう言いながら豚肉としめじをおたまで二人のおわんに入れた。  「どうやって気持ちを切り替えたんですか?」「ノートに書いたり、カラオケで歌ったりしてたよ。博人は一日何冊くらい読んでるの?」
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