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二章 「秋花と夏の奮闘」
一週間後、それぞれのグループではケンカが起きることが多くなっていた。
大貴と離れた秋花も、一人で動きながら洗濯や狩りなどをして過ごしている。
ある日、映画館の近くで6歳の女の子が泣いているのを見つけた。彼女の
前には50匹のハチたちが固まっている。ライフルを持つと、慎重に撃った。
真ん中にいた5匹が地面に落ちて息絶え、残りは飛び去っていく。秋花は女の子に駆け寄った。
「びっくりしたね。ごめんね」「お姉ちゃん」泣き出す女の子の背中をゆっくりとさすりながら落ち着かせる。ティッシュで鼻をかみながら、「私、桃。お姉ちゃんは?」と見つめてくる。
「秋花。14歳よ。よろしく」とにっこり笑って答えた時、別のハチたちが
近づいてきた。桃の手を握り、ビルの中に駆けこむ。3階まで上がった時、
「二人とも、柱の後ろにいて!」と素早く指さす夏の姿が見えた。
彼女がライフルを撃つと、巨大なテニスボールのようになっていたハチたちが20匹、下の階に落ちていった。
それを見ていたルークは靴音を立てずに、その場から離れていく。
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