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二章 「古本とシャーリー」
ヴィントやフォイアーたちは塔の中にあった古本のほこりを払い、外に並べていた。読みたいと思っている市民や子供たちに渡すためだ。絵本や小説など
200冊もある。
「本屋ができそうなくらいあるな」とヴィントがつぶやくと、シャーリーが
「私も3冊くらい欲しいです」と手袋で短編小説の表紙を触りながらうれしそうに言う。
「お前は本が好きだからな」「うん。私の部屋には本棚が10個あって、古本を入れて寝る前に読んでるんだ」
「今度持ってきてよ。私も読みたい」アリスが二人の会話に入ってきて、にっこりと笑った。
子供たちがやってきて、絵本を開く。そのそばでは市民たちが小説を読んだり、どれが面白いか話したりしていた。買っていく人が多く、夕方、残っているのは30冊だけになった。
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