ダルジュロスの王子とアンダルシアの少女2

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 一章 「ダルジュロスの新しい日々」  アリス・アンダルシアは塔の外に新しくできた軽食屋でチーズとコショウを つけて焼かれたジャガイモと酢につけたニンジン、キュウリを食べていた。  敵国だったミルドラドの王、アーノルド・フォンシュタインが亡くなってから3週間後、彼が作った毒を体内に入れられていたムカデやトカゲたちは彼女の薬で無毒になり、他の場所へと移動していった。  彼女の義兄で国王のヴィント・ダルジュロスは騎士たちの義足や義手に使う 金属や石を輸入し、彼らと一緒に試作品を作っている。シャーリーもその一人で、彼女は今壊れにくくなった新しいものをつけていた。    「アリス姉さん!」12歳の義弟アデルが、彼女に向かって手を振っている。幼なじみのラズとケーキを作っていたらしく、銀色の髪にクリームがついている。  「アデル。元気そうね」「ええ。このあとも馬車に積む荷物を兄さんたちと運ぶんです」と答え、満面の笑みを見せながら隣の店で肉がたくさん入ったトマトパスタを食べる。  
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