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「長かったですね、何かあったんですか?」
シギはやる事が無かったのか店のテーブルを丁寧に拭いていた、バグウェットがカウンター席に座るとシギは再びコップに水を入れて持ってきた。
「特に何も、つーかまた水か……酒はねえのか酒は」
「いっぱいありますけど……いいんですか? また殴られますよ」
「大丈夫、女の風呂はなげーんだ。今のうちに一、二本くすねるぞ」
呆れるシギを尻目にバグウェットはカウンター下の酒を漁る、ジーニャは酒に強いこだわりがあり、どれだけ通な酒でも注文すれば必ず出てくると客たちからの評判は上々だった。
だがバグウェットのようなバカ舌の持ち主は通な酒など興味は無い、彼が飲むのは安くて量のある酒だ。
「おっ、こりゃいい。二本くらい持ってくとするか」
「遠慮しなくていいわよ、おまけでもう一本付けてあげる」
バグウェットが振り向くと、ジーニャはいつものように美しい笑顔で後ろに立っており、その手にはおまけの酒瓶が握られていた。
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