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「これからも付き合いのあるような相手ならまだしも、今日明日にでも消えるような奴らだ。相手にするこたねえ」
長く付き合う相手ならば舐められないよう強気に出るのも良い、友好的な態度を示し少しでも良い関係を築いても良い。
だがローグのような付き合っても何のメリットも無い人間とは、話すだけ時間の無駄というのがオルロの考えだ。
「しかし……」
「もうよせって、オルロさんの言ってる事が分からないわけじゃないだろ」
メルムを止めたのは同期のリットンだった、彼もまた悔しい気持ちを持っていたがオルロの言う事を理解しており、これ以上この話を続けるのは先ほどの屈辱に耐えた自分たちのボスを貶める事にしかならないという事も理解していた。
「……くそっ」
肩を掴んでいたリットンの手を振り払い、メルムはそれ以上なにも言わなかった。
「うし、今度こそ出発だ」
先だって歩き出したオルロの後を五人が追う、だが心なしかその足取りは重い。彼らの足には悔しさと怒り、そしてほんの僅かばかりの疑惑が絡みついていた。
オルロの言葉は正しいのかもしれない、だが結局は武器をもったローグたちを恐れただけではないのか、そんな疑問を五人は抱かずにはいられなかった。
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