鉄の森は凪いでいく

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 死のうかな。と思った。  別に悲しい事があったわけでも、辛い事があったわけでもない。  ただ、明日を生きていく意味を見出だせないだけ。  だから仕事終わりにオフィス街を彷徨って、死に場所を探していると、鈴のような声を聞く。  高層ビルとビルの間のゴミ捨て場に、子猫がいた。  咄嗟に手を伸ばして両手で持ち上げると、小さくて、軽くて、温かくて。  いつの間にか今日死ぬことよりも、明日この子のごはんをどうしようと考えていた。  
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