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遅刻
「おーい、薫ゥ…また遅刻したのかよォ」
「ごっ、ごめん」
「まあ、別に気にしないけどねェ」
「でも、あんま遅刻するなよォ?ただでさえ悪い奴らがウロウロしてる時間なんだしィ?」
「えへへ…気をつけるね」
「何回目で実行出来るか数えとくねェ」
「やめてよっ?!」
彼は語尾がよく伸びる
というか、ぽわぽわしてるという方が合ってるかもしれない
それに…そこら辺の女の子よりよっぽど綺麗だと思う。うん
「薫君。遅れて来たのに何もしないなんてないんじゃないの?」
「あっ、そうだった…」
「そうだったじゃないわよ…今度こそ仕置するわよ?」
「うひぃ!!やめてよ、サキ姉!」
彼女は咲、1番上の子なんだ。みんなからサキ姉って呼ばれてるんだ。
なぁーんてたわいのない話をしている時だった。忘れることの無い最悪な記憶が出来たのは。
ザッザッ
その時僕ら僕らを襲った恐怖、耳を劈くような甲高い叫び声、記憶に焼き付いてる。
でも、ほんの一瞬の出来事だった。
辺り一帯が眩い光に包まれた。
その音の後で怒号のような音が鳴り響く。
ー雨が降り始めた
「「あっ、洗濯物しまってないや」」
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