序章

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序章

僕らの龍神様はとても優しい。 だって、龍人は人を喰らう化け物だと聞いていたのに、龍神様はそんなことはない。 それに、龍神様は孤独なんだ。 たとえ僕らが龍神様の隣に居ても、龍神様の心が、孤独が埋まる訳じゃないんだ… 僕らが住んでいるのは龍神様のいる神社。 でも、神社なのに墓石が置いてあるんだ。 龍神様はそれを見る度に悲しそうな笑みを浮かべるんだ。 神にもいずれ終わりが来る。 でもそれは僕たちが思ってるよりも遥未来のことで、僕たちが龍神様の終わりに立ち会えることなんてない。 …そもそも、龍神様に終わりという言葉はないんだ。孤独を背負って、癒えることのない深い傷をおったまま、移りゆく世界を見届けるんだ… ―僕らの御霊が消える時、龍神様はどんな顔するんだろうね? ―きっと悲しんでくれると思うなぁ…だって、龍神様は慈悲深いお優しい龍神様だもの ーでも、悲しんでくれなかったら? ーそんなこと言うの、龍神様に失礼だと思うぞ ー結局僕らも龍神様を置いて逝っちゃうんだよ。龍神様の寿命には勝てっこないさ ーなんか、龍神様と会えなくなるのはすごく寂しいなぁ ー…うん。すごく、寂しい…  ̄こらぁ!!このガキ共!!龍神様のいる神聖な場所で何遊んでんだ!!帰れ!!  ̄これだから赤眼の童子はダメなのよ
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