見え透いた虚言。

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見え透いた虚言。

さも、飽き飽きした様に男は吠えている。つまらない、お前らはダメだ、と。聴いている人間に愛想を尽かしている。僕は彼に気に入られたくて、毎日コメント欄に書いていた。だが、彼は僕すらもどうせお前も裏切るんだろうと、すぐに話題を変えた。心の中で彼はつまらないとしか思っていない。自分が売れる為に、もっとド派手なことをしなければ、彼は生き残れないと思っている。毎日、自宅待機で家にいなければいけない、暇だからそれを観て、狭い檻の中で息を潜める様に、配信を聞いている。キャバ嬢、体をウリにする、風俗嬢達が、眠れない夜、暇だから、聴いている。配信者達は、金をくれと騒ぎ立てて、媚を売る。売れている著名人ならまだしも、彼等はただの一般人だ。特に取り柄もない、女性に嫌われる様な、男ウケの良いものを延々とダラダラと、ぼやきながら、俺の自由だ、お前らがそれを言う権利はないと王様気取り。虫唾が走る。そんなもの誰も観たくねーだろ、僕はそう思ってしまった。
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