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船木先輩は雰囲気を作るためなのか声を低くしたり、間を置いたりして場を盛り上げようとする。
気がつけば部員の数人が船木先輩の話に耳を傾けていた。
「何が立ってたんですか? お化けですか? 私怖いのが大の苦手で」
両手で顔を覆い、指の隙間から船木先輩の表情を窺う。
他の人からすればオーバーリアクションに見えるかもしれないけれど、怖いものは怖いのだから仕方がない。
「茜、怖がり過ぎだって。可愛いなぁ、まったく」
船木先輩が優しく私の頭を撫でてくれた。
「先輩、それでその生徒は何を見たんですか?」
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