0人が本棚に入れています
本棚に追加
「船木先輩、おはようございます!」
翌朝、下駄箱で靴を履き替えていると船木先輩の姿を見かけた。
朝の挨拶は大きな声で元気よく。これは女子バスケットボール部のみんなで決めたルールだ。
「お、おはよう茜」
船木先輩は私の顔をチラッチラッと見てから小さくそう言った。
どこかよそよそしいというか、明らかにいつもと様子が違う。
「どうしたんですか? もしかして体調悪いんですか?」
「ううん、元気だよ」
「そう、ですか」
船木先輩と並んで歩き、階段を上がる。
いつもなら会話が弾んでついつい朝のホームルームまで話し込んでしまうのだけど、今日は全然会話のラリーが続かない。
最初のコメントを投稿しよう!