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あなたは私?
モヤモヤとした気持ちを残したまま放課後の部活が終わり、時刻は夜7時を回っていた。
「じゃあね、茜!」
「うん! みんな、また明日!」
校門を抜け、駅に向かう組に別れを告げる。
私の家はここから歩いて20分行ったところにある。自転車通学にすれば楽ちんだということはわかっているけれど、それでは大事な前髪が崩れてしまう。
男子からすれば「たかが前髪が」と言われてしまうだろうが、女子にとって前髪は命の次に大事なものなのだ。
前髪が決まらないとその日の気分が急降下してしまう。
「うっ、冷えてきたな」
両手に吐息をかけて手を擦る。
もう10月だ。そろそろカーディガンを準備した方が良さそうだ。
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