ドッペルゲンガーのドッペルちゃん

ドッペルちゃんの噂

「茜(あかね)はさ、『ドッペルゲンガーのドッペルちゃん』の噂って知ってる？」

　バスケ部キャプテンの船木(ふなき)先輩が水分補給をしていた私にそう聞いてきた。

「ドッペルちゃんですか？　初めて聞きました」

　私はペットボトルを鞄にしまい、体育座りをした。
　尊敬する先輩に対して失礼があってはいけないからね。

「最近、白ヶ峰(しろがみね)高校の間で流行(はや)ってるんだよ」

「都市伝説みたいな感じですか？」

「うーん、そうだね。そんなイメージかな」

　船木先輩はダムダムダムとボールをつきながら噂について話しだした。