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学校に着くと転入生として教室に案内された。
「みなさーん!今日から仲間が増えましたよ!ロレンシア・ポーツネルさんです!仲良くしましょうね〜!」
「よ、よろしく…」
「「よろしくーっ!!」」
クラス全員の明るい顔がみんなもう覚醒済みの子達に見えて仕方ない。
私以外にもいるよね……?
「じゃあポーツネルさんはあの1番後ろの席で!」
「あ、はいっ」
ん……?
「よっ」
「な、なんであんたがここに……!?あんた小等部じゃなかったの!?」
クラスがどっと笑い声に包まれた。
「おまえ初日からなに笑い掴んでんだよ」
「え、どういうこと…?」
「ポーツネルさん、ケイト・クリスタくんは立派な中等部ですよ〜!」
先生も笑ってる。
こ、こいつケイト・クリスタって言うのか…てかこれで中等部!?嘘でしょ!
ていうかただでさえ未覚醒なのに初日から目立ってしまった…全てはこいつのせい!
「あ、あはは〜、そうだったんですね…ほらなんか背が私より低いから〜…」
「これから成長すんだよアホ」
おお、ちょっとムッとさせれた。これはこれでよし。
「じゃあ一限目は未覚醒の子はこっちの部屋で」
はい?
「ケイト・クリスタ、今先生なんて言った?」
「未覚醒のやつはあっちだって。つまりおまえ」
「何?そういうの公開処刑されるの?」
「うらむなら自分をうらみな」
こっちを見てうししって笑ってるこいつをうらみたい。
私以外いるのかな〜、逃げたい。
「はい、集まったわね〜!」
よ、よかった。いた。数人だけど。
「ミカエルくん、ロレンシアさん、リードさん、あとはケイトくんね」
ん?
「先生ー!よろしくお願いします!」
なぜおまえがいる?
「早く覚醒してーなー!おれ」
こいつほんとにやばいやつじゃん。
なんで未覚醒の授業に来てんだよ。
おまえ余裕で帽子やフレンチトースト浮かしてただろ。
「ロレンシアさん、どうしたの?具合でも悪い?」
「あ、いいえ、大丈夫です」
「そう!よかった!じゃあ授業始めるわね〜!今日の授業は椅子に座って目を瞑り、とにかく念じてみる授業です!」
「やったー!」
ケイト・クリスタがやけに喜んでる。
椅子に座って目を瞑る……こいつまさかこっち来たの昼寝のためか!?
「先生ーおれめっちゃ頑張って念じます!」
ていうか目を瞑って念じるて、授業でやらなくても自分一人でできるわ…なんでわざわざ。
「はいじゃあみなさん!集中力が必要なので!とにかく目を閉じて何かを念じてみましょう!」
この学校絶対適当だろ〜!
「「……」」
みんな目を閉じて眉間にしわ寄せて、ついでに手も合わせてめちゃくちゃ集中してる。
私はこんなの家でもよく試してみたよ。何も起きなかったよそりゃ。
ケイト・クリスタは……予想通り寝てる。爆睡だ。
そりゃそうだよあんたはもう魔法使えてんだから。
あれ、先生も目を閉じて念じてる……?もしかして先生も大人になってもまだなのかな?
たまにいる。通常遅くても20までに目覚めるはずがずっと覚醒しなくって、それがコンプレックスになっている人。
ん……?
や、やばい。
ミカエルくんがイスごと宙に浮いてる。
天井に頭がつくほど。しかも本人は目を閉じて集中してるから全く気づいてない。
ケイト・クリスタのせい!?
「……」
ケイト・クリスタは寝てる?まさかこいつ寝ぼけながら発動させてるんじゃ……!?
その時ミカエルくんのイスがユラユラ揺れ始めた。
「あっ、あぶないっ!!」
私はとっさに落ちそうになるミカエルくんを支えようと前のめりになった。
そしたらミカエルくんは何も気づかず目を閉じたまま椅子ごとゆっくり着地していた。
私はというといきなり前に飛び出たから体重が支えきれなくてみんなの輪のど真ん中でずっころげていた。
「ろ、ロレンシアさん!!どうしたの!?」
先生があわてて近寄ってくれた。
「ふぁあ……。あれ……?ポーツネルなにやってんの?」
お、おまえ……。
許さん……。
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