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 「おじさん、思い出せる?」 少年、心配するな。 「ああ!」 そうだ、一昨日の夜は……子どもの本を読んでいた! よく本屋やコンビニで対象年齢18歳以上の大人の雑誌を目にするが、 俺の愛読書はその逆。対象年齢12歳以下だ。 内容としては、国内外の様々なおもちゃや遊びが載っている。 童心を忘れた大人が読むには、どうも刺激が強すぎるらしい。 その噂は間違いなく、だるま落とし特集なんかは大興奮ものである。 「捻じ曲がった性癖の俺でも応援してくれるかい?」 恥じらいは全て捨てた。 「……うん!」 このときに見た、少年の引き攣りに引き攣った顔は、一生忘れない。  だが、一昨日の夜を思い出したおかげで、 イッサクジツの全貌はこの眼に映るまでにはっきりとしたものになった。 「一発で仕留める!」 失う物のない俺の一振りは、イッサクジツの首元を鋭く掻っ切った。 「アァァァァァ……」 身体を切り裂かれた奴は、 悲鳴を上げておどろおどろしく消えていった。 夜の欠片をその場に残して。
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