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帰宅
はぁ、はぁ、と肩で息をする遥。
日菜子は破いてしまったストッキングを予備に履き替えて、すっかり身嗜みは整えた。
「本当に仗助さんは底なしですねぇ.......」
若干のジト目を受けながら、遥に視線をむけるとよろめきながら服を整えていた。
俺は日菜子にフォローを後で入れることを考えつつ、やるべき会話を進めることにした。
「とりあえず、遥には今後日菜子のフォロワーをしてほしい。過剰な贔屓をしろとは言わないけど、仕事のパートナーとして支えて欲しい」
特に反対意見はないらしく遥は静かに頷く。
「そして報酬が、俺との肉体関係.......まぁ、気が乗ればそれ以上もあるかもな」
その言葉にごくりと、遥から音が聞こえた。
10分後、すっかり落ち着いた俺は日菜子と遥を伴って会議室を後にした。
勿論、換気や清掃は済ませてあるのでバレないだろうが、早々に離れるに越したことはない。
まだ仕事があるという事で、日菜子と遥の2人とは会社の玄関口で別れた。
もちろん「歩きで返す訳には」と、2人から言われタクシーで自宅へと帰ることになった。
費用などはもちろん日菜子と遥が払ってくれている。
.......着実にヒモになりつつあるな。
とりあえず、VR機器が来るまで調べることが沢山あるから、そちらを優先しよう。
俺は2人の女性と関係を持った事を内心信じられない気持ちを感じつつ、この世界で生きていくために必要な情報を集めることにした。
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