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契約
その後、日菜子とカラオケボックスに入り中断していた契約のまとめを行った。
①日菜子個人と長期契約を結ぶ。(これは、手柄の横取り対策だ。日菜子以外とは契約しないという意思の表れだ)
②日菜子を通して会社のモデルとして活動する。回数は月に最大5回まで。(それ以上働かせると、男性を酷使しすぎだと国から指摘が入るそうだ)
③日菜子はVR機器の代金分俺を好きにしていい権利を持つ。また、俺がまたなにか強請った時、その額は上乗せされて回数もそれに応じて増えることもある。(これで日菜子は俺に物を買う=ヤる回数を増やすという図式を得る。もちろん、彼女の負担を考えた範囲で済ませるつもりだ)
④日菜子は正式に俺こと、東里仗助の恋人として認め結婚を前提に付き合うこと。日菜子は他の男性と関係を持ってはならない。(ヤリ捨てはしたくない。スタートは不純だったが、関係を持ったからには幸せにしたいので俺からこの契約をもちかけた)
追加で作った4番の契約について、日菜子が心底驚いていた。
きっとそこまで大切にして貰えるとは考えてなかったのだろう。だが、俺の言葉を全て聞いた時嬉し涙を流してしまった。
また、今すぐは無理でも同棲をしたいと告げたら「直ぐにマンションを」と言い出した。さすがにそれは止めたが。
170万の買い物をさせた上に、今朝まで業績不振で落ち込んでいた子にそこまでさせるのは気が引ける。
なので「今回の仕事できっと日菜子の会社での立場も変わるはずだ。だから、そこから頑張ってお金を貯めよう。俺も手伝う」と約束した。
その後、日菜子にタクシーで自宅前まで送ってもらい、別れ際にもう一度熱烈なキスをしてから家に帰った。
その時、タクシーのおばちゃんがニヤニヤしながらこっちを見てたのでウィンクして返してやったら驚いていた固まってた。
まさかセクハラ行為に笑顔で返されるとは思ってなかったのだろうな。
「ふぅ、疲れた」
ベッドに転がり天井を眺める。
本当はシーツやらカーテンを買うつもりだったが、それ以上の展開になってしまった。
まぁ後悔はしてないしむしろグッジョブだと思ってる。
例のVR機器は1週間程で届くらしいので、それまではソシャゲなりネトゲして暇を潰す事にする。
働かなくていいのか? そんな声が聞こえてきそうだが、答えは簡単だ。必要なかったよ。そんなの。
帰り道の途中でカードで残高を確認したら、800万くらい入ってた。
なんでだろうかと日菜子にきいたら「多分国からの男性助成金じゃないか」との事。
ただ、普通ならもっとあってもおかしくないそあなので、後日通帳の出金履歴を調べるつもりだ。
この残高を見て「これならVR機器払えたなぁ」と呟いたら、日菜子がこの世の終わりのような顔でこちらを見ていた。
このおねだりがなかったら、日菜子とは今のような関係にはなれなかった。
もし、ここで全額手渡したりしたら俺とヤる口実が無くなるわけだ。そりゃ絶望もするか。
「ま、まあ.......結果オーライだよな。日菜子にはこれからもよろしくな」
そう誤魔化すとぱあっと華やかな笑顔で「はいっ」と頷いた。
そんなことを思い出しているとスマホからピンポンというルインの音が鳴った。
画面には「日菜子」と出ている。
『今日はありがとうございました。夢のような一時でした』
『こちらこそ、すごく良かったよ』
暫くの沈黙。
『また、明日契約の確認を兼ねて会えませんか?』
『いいよ。どうせ暇だからね、ついでに買い物に付き合って欲しいな』
『喜んで!』
隠しきれない期待が文面から伝わってくる。
俺としても大歓迎なのでその話に乗る。
取り留めもない雑談をして、途中で自撮りを送り合うという話になりか「じゃあ、胸元晒した写真送るから、日菜子も似た感じのをよろしくね」と言って写真を撮る。
スマホを少し高めに構え部屋着のワイシャツボタンを少しだけ外してはだけさせる。
そして上目遣いでぱしゃり。
SNSでみるようなイケメンがやる構図をまさか自分でするとは思わなかった。
取れた1枚を見て自分がカッコよく写っている事に満足しつつ、ルインに送る。
それとほぼ同時に日菜子からも写真が送られてきた。
部屋着のセーターを捲りあげてブラと胸が見えるようにして写している。
ただ、相当恥ずかしいのか顔が真っ赤だ。
『いいねすごく可愛い』
『そんな.......かわいいなんね』
『日菜子は自信が無いみたいだけど、少なくとも俺はこの写真を見てこうなったよ』
そう言ってズボン越しではあるが、大きくなったとある部分を撮ってルインに送る。
『.......仗助さん、えろ過ぎです』
『日菜子もね。似たもの同士って事で許して』
『許すも何も、嬉しすぎて今夜寝れるか分からないです』
『嬉しくて? 興奮しての間違いじゃない?』
『やっぱり仗助さんは意地悪です』
夜はこうして更けていく。
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