SEMI the World

3/7
前へ
/7ページ
次へ
「ごめん、遅くなった」 「大丈夫。俺らも楽器の調整してたから。お前も声出ししといたら?」 バンドメンバーの1人、キーボードのタミが水を持って俺のところに来た。 俺たちのバンドは ミンミンゼミ で構成された趣味でやっているロックバンドである。 「いや、仕事でたくさん歌ってきたから声出しは大丈夫」 俺は水を飲み、歌う準備を始めた。 「今日はなに歌ってきたの?」 ベースのミセが聞いてきた。 「うみはひろいな おおきいな〜♪」 マイク越しに歌う。 「あはは!海なんて見たことねー!」 ドラムのケイダが手を叩いて笑っている。 リーダーであるギターのシケが 「今日の曲目は『海 』でいこう」 と、にたりと笑い俺を見た。 「OK!OK!!このミンミン様の歌声を聴かせてあげるぜ!」 「お前、改名したら?」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加