SEMI the World

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『 海 』を何度、奏でただろうか。俺たちは汗を撒き散らし歌いきった。 余韻に浸っていると、その空気を打ち破るかの如く扉が激しく開いた。 「ちょっと!時間オーバーですよ!時間守ってくださいよ!!」 入ってきたのは、美声派グループのヒメコオロギたちだった。 「あ、すみません……」 俺たちは、そそくさと楽器と機材を片付け、ヒメコオロギたちの横を腰を低くして通り、スタジオを後にした。 「はぁ……。飲みにでも行くか」 「そうだな」 暗闇の道を通って、行きつけの居酒屋へと向かう。
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