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「朝の地中放送聴いたか?セミベアーズの新曲だったぜ!」
タミが目を輝かせて言う。
「オレは今日、夜勤明けだったから地中放送の時間に間に合わなかった」
「ケイダは今病院の何科勤務なんだっけ?」
「整形外科。最近、足を無くしてくる虫たちが多くてさ。義足とか作ってる」
ケイダは総合病院で勤務する看護師だ。
「僕は、セミベアーズの曲聴いたよ。ちょうど配達している時に商店街から聴こえてきたんだ。あの曲はかっこよかった!」
シケは郵便配達員をしていて、俺が働く幼稚園にもよく配達に来る。
「ミセは忙しそうだよな。虫衛隊の活躍はよく聞くぜ」
シケがお通しで出された枯れ葉を食べながら言う。
「最近、環境と土壌の変化なのか水害が多いんだよ」
ミセが疲れたように樹液を飲みながら話す。
「水害といえば、この前、俺の職場が浸水して大変だったよ」
「あぁ!タミが働く高齢虫施設、ニュースになってたもんな。その後大丈夫だったん?」
「まぁ、なんとかな」
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