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私、フォロワーの数とか全然いないんだよね。百人ちょっとしかいない。結構夜の遅い時間だったし、そうそう誰も反応しないだろうなあって思ってたんだ。ところがどっこい、この夜は違ってた。何故か数秒後にリプがついたの、FF外の人から。
『そんなあなたにコレおすすめ。
楽しいよ。
つ【アドレス】』
そうそう、なんかよくわかんないアドレス貼りつけられた。ふつー絶対怪しいって思うじゃん?使い古された、いわゆるワンクリ詐欺ってやつ?とか思うじゃん?でも何故かその時の私は、これは絶対見ないと損するやつって思っちゃったんだよね。
だから、その貼りつけられたアドレスクリックしたの。
で……そのまま寝落ちしたっぽい?すーっと意識が遠ざかったというか。まあ夜中で眠かったしね。全然有り得る話ではあるんだよなあ……いやその、ごめんて愛美。今度はオンラインゲームのプレイ中に寝落ちするとかしないから、いやマジでそのセツはすんませんっした!
いやそうじゃなくて!もう話逸らさないでって!
気づいたら、私はなんかビルの中っぽいところにいたの。灰色のコンクリの……打ちっぱなし、っていうんだっけアレ。なんか壁紙とかなんもなくて、床も壁もおんなじ灰色で超味気ないのね。
で、そのビルの一室っぽいところに私は立ってるの。一階、なのかな。天井が吹き抜けでね、どこまでもどこまでもたかーく続いてんのね。四角いその吹き抜けの一番底に私が立ってるかんじ。きっと凄い高層ビルなんだろうなーってなんとなく思ってた。
で、ヘンなのはここから。
私がいる空間は、地面の広さ的には私の部屋の広さくらい?タタミ十畳あるかどうかってくらいの広さなんだけど……その部屋の真ん中に三角形の穴みたいなのが開いてんの。これがもう、まっくら!中覗いてもなーんも見えない。どれくらい深いんだろう、堕ちたらどうなるんだろうって思って見てたら……まあお約束。私、そのまま足滑らせて落下しちゃって。
不思議と、そんなに怖くなかったんだ。
なんていうか、落ちてるのにすごくふわふわしてるというか。スローモーションで落ちていくみたいな感覚。真っ暗闇の中、私はどこまでもどこまでも深い穴の中を堕ちてくわけー。
そろそろ黒ばっかの景色にも飽きてきたな、って思ってたら。次第に、何か光みたいなものが見えてくるの。なんだろう、って目を凝らしてみると……人が、光ってんのね。
面白いんだよ。
それ、私なの。
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