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繋がり
中田宅のリビングで椅子に座り込む中田 薫と阿部川は眞鍋と対面して話せるような位置へと眞鍋が椅子に座る時に移動した、薫は不安を抱えたような表情を見せている、阿部川も冷静を装ってはいるが内心どこかで不安を隠しきれていないのを眞鍋は勘づいていた、「真実を話せ!」眞鍋は薫をじっと鋭い目線で睨み付けそしてテーブルを強く叩きつけると強い口調で問い詰めた、「ちょ、待ってくれ!眞鍋さん彼女は」阿部川は追い込まれる薫は守ろうと、止めようとするが眞鍋は阿部川を振り切りそのまま続けた、「夫がそれほど憎かったのか、中田さん」眞鍋はじっと中田を見つめた、中田の横にいる阿部川は只困惑するだけだった、「中田 薫、元神田組の従業員」
それは帰りの出来事だった、眞鍋は松岡との交渉を終え帰りは行きと同じの中国人ヒットマンの運転する車へと乗り込んでいたときの事、眞鍋は車内で静かに窓を見つめているとドアの下に設置されている穴に何枚かの写真が置かれている事に気がついた、「何の写真だ?」眞鍋はそう呟くと気になりその写真を何枚か手に取ると神田組が仕切っていたクラブの入り口に映る中田 薫の姿が見えたのだ、「まさか貴方があのクラブの元従業員だとは政治家と結婚していたので中々気づきませんでしたよ」中田はじっと黙り込み下を見つめていた、「夫を殺したのは神田組何だぞ!裏切れなかったのか?」眞鍋は何度も問いかけた、すると中田はハッと顔を見上げ眞鍋の問いに否定した、「私はあの人達に救われたんです」眞鍋はその応えに疑問を隠しきれなかった、「眞鍋さんもうこの辺であとは自分が」阿部川が眞鍋の問い掛けを遮ろうとしたその時、突然眞鍋は立ち上がり阿部川の頭に銃口を向けた、「お前にも聞きたいことがあった」眞鍋は阿部川を睨み付け強い口調で訴えた、「あんた警察だろ!俺を殺すのか」
「どうして松岡達に獅子神が裏切った人物だとわかったんだ、彼らだけではその情報を知るのは到底不可能だ、誰かが情報を漏らさない限りな!」阿部川はその訴えに恐怖を感じ思わず椅子から体が倒れた、「待ってくれ!眞鍋さん」 必死に避けようとする阿部川を眞鍋は追い詰めてく、「あんた言ってたよな神田を殺害していた情報はまだ誰一人伝えてないと」すると阿部川は突然笑い出した、「貴様、!」すると阿部川は眞鍋のスーツの襟に掴みかかった、掴んだ手は襟元に強く握りしめられている、「私は記者だ!、裏切り者と、復讐を誓う者達が争う姿は面白い記事になるんだよ」眞鍋は襟を握りしめながらそう話す阿部川を睨み付けそして、壁へと阿部川をおもいっきり振り払った、阿部川は強く壁に打ち付けられ頭を抱ながら悶えた、「ふざけんな!ふざけんじゃあねぇぇこの偽善者が!」眞鍋はこれまでにない怒りを上げ怒号を放った、「奴らが真実を知ってから死傷者がでとるんだ原因を作ったのはお前だ」眞鍋の目はまさに凶器だった、その後阿部川は何も応えることなく只床に倒れ込んだままじっと眞鍋を見ていた、「私です、私が協力を頼んだんです、」眞鍋はふと急に我に返り中田の方を振り向いた、「私が松岡さんに伝えてと命令したんです」眞鍋は椅子に座る中田の方へとすかさず向かった、「私は長い間神田組の経営するクラブで働いていました、そんなある時、夫がクラブに入店した時私は初めて彼と出会いました、」眞鍋は時々頷きながら薫の話に耳を傾けた、「その日から彼は時々店に来るようになって、私も彼に好意をだいて幸せな日々が続くんだろうと思っていました、だけど結婚してから一年後彼は段々と豹変してきて」 「まさか、中田 徹があなたにDVをしたと言うことですか?」眞鍋は恐る恐る質問をすると、薫は静かにこちらを向いて頷いた、「気づいたときには、体と心が蝕まれて私は限界でした」すると薫の目から涙が少しずつ頬に流れてきた、「なぜ警察に通報しなかったんですか?」 「警察にも何度も助けを要請しても暴力団と繋がっていることを気にして、信じて貰えなかったんです!」薫は思わず手で顔を伏せ涙ぐんだ、「でも助けてくれた人がいました、私がDVを受けていることに気がついてくれたのは、神田さんでした、」眞鍋はその人物の名前を聞いた瞬間疑問が頭の中でいっぱいになった、「神田はあなたの夫を殺害した人物ではないですか!」眞鍋は思わず強い口調で薫に問いかけた、「私が彼を消してくれと伝えたんです」眞鍋はまさかの応えに一瞬言葉が浮かばなかった、「偶然にもあの人は政府の意に反する不正を暴力団と協力しようと当時動いてたらしく、そんなある時夫を追っていた阿部川さんと出会って」すると薫は壁に倒れ込んだ阿部川の方を振り向いた、「阿部川は只の私の駒になっただけですよ眞鍋さん、」
「阿部川は只、暴力団との繋がりわかった時点で闇の中に深入りしすぎてしまった」すると眞鍋は突然立ち上がり頭を抱えるとその数秒後テーブルに強く手を叩きつけた、思わず薫は驚いた、「もう時間がない、お前と繋がりのある人物を教えろ、確か神田組と繋がりの会った白岩組員の誰かでいい!」焦る眞鍋の顔を冷静に薫は見つめている、「あなたに協力しろという事ですか?」そう問いかけると眞鍋はそうだと応えた、すると突然薫の携帯からでかい着信音がリビングに鳴り響いた、静かな空気にいきなり爆音のような音楽が流れ始め驚きを隠せなかった、「電話は誰からだ?」眞鍋はそう問いかけると、薫は電話相手を見て眞鍋に顔を向けた、「渡部からです」
白岩組が仕切るクラブ内では店の開店前に何人かの組員が集まっていた、この中の一人に渡部も含まれVIP室のソファに座り込み足をテーブルの上にのせ煙草を吹かしている、「組長、遅すぎませんか?あの女?」渡部の横で立ちつくす組員は何とか渡部の機嫌を悪くさせないよう振る舞っていた、すると突然渡部は黒革の革靴でテーブルに足を強く振り下ろした、「ドン!!」思わず組員はビビった、「女は必ず来るやろ、もし内のお仕事を辞めたいとほざきやがったら、わかっとるやろ、ハハハハハ」渡部は薄気味悪い笑い声を上げた、待ち続けること五分後、渡部の携帯から中田 薫宛の着信がきた、すぐさま渡部は電話を繋げ話しかけた、「随分と遅いやないか、今どこにいる?」すると薫からは店の外で車を止めて待っていると応えがきた、「恐らく辞めにきたんやな、お前ら外で待機しとけ、俺が優しく迎えてやる」そう言うと不適な笑みを浮かべながら渡部は店の外へと向かった、店を出ると薫の言う通り店の近くに車が止まっていた、渡部はその車を見つけるとすぐに駆け足で走った、「ココン、ココン」渡部は車のもとへと来ると直接車の中は見ず窓をノックした、すると車内のドアのロックが解除された音がなった、ロックが開いたのに気づくと渡部は助手席に乗り込んだ、「今日は珍しく遅刻やないですか、まさかねぇ~」渡部は白々しく問い詰め中田 薫を見つめながら迫ってきた、「今日は大事なお話がありまして」突然薫はでかい声で話だし渡部は驚いた、「なんや、話して」すると薫は渡部を見つめ息を呑んだ、「今です!!」
すると突然、後部座席の椅子の下から眞鍋が現れ前に座る渡部の首を後ろから絞めた、「誰やお前はぁぁぁ、グゥゥゥゥ、ゥゥ」眞鍋は思い切り渡部の首を片羽絞めで絞めた、必死に渡部は眞鍋の腕を離そうとするがそれを薫が阻止した、「グゥゥゥゥ」薫は必死に渡部の顔を確認すると次の瞬間、渡部が意識を落としたと、薫が眞鍋に伝えた、「もう大丈夫です」そう言うと眞鍋は腕を離し後部座席に持たれ込んだ、「ハーハー、上手くいったな!」眞鍋は少し苦笑し話しかけた、「眞鍋さん、条件はわかっていますよね?」薫は困惑した顔をみせながら眞鍋に問いかけた、「えぇ、協力してくれた恩に、あなたの罪を揉み消します、それと暴力団との繋がりもこれで終りにさせます。」
店の袖で待機する組員は余りの遅さに少し困惑し始めていた、すると見張っていた車が突然走り出した、「あっ!、組長、いちゃった」
見張りをしていた組員は突然の事に頭が真っ白になり車が去ったあとも暫くその場で立ち止まっていた。
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