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オト その気持ちももちろんあります。ですが、使命感と言いましょうか、願いではなく、人間にならなければという強い思いなのです。
太郎 たとえ魂が消えてしまっても、ですか?
オト …はい。
姫 あんたね、ちゃんと分かってるの!? 魂が消えてしまったら、あんたを大切にしてる持ち主だって、悲しむことになるんだから!
神 まあまあ、姫さん。いいじゃないの。(言いながら登場)
太郎 月読様。
神 お帰り、櫛の魂よ。元気そうでよかったよ、大切に使われていたんだね。
オト あなたはもしや…。
姫 この神社の神よ。ねえ、いい訳ないわよ。月読様も止めてよ。
神 私も長いことここで神様やってるけどね、こんなに強い思いで願いに来た魂はそういないよ。どうしても叶えなきゃいけないって思ってるんだろ?
オト はい。
姫 なんでよ、なんでそんな簡単に…
太郎 姫。
神 私はいいけどね、叶えてあげても。ただ、とても強い力を使う願いだ。私の力だけでも叶えてあげられるが、回復するまでに時間がかかる。その間、この町の人間を見守る力が無くなってしまう。あーどうしようかな―。誰か手伝ってくれないかな―。
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