モノ語り―問いし君はも―

3/53
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
姫 そう…。よくあることならハンカチくらい持ってなさいよ。(タケルにハンカチを強引に渡す) タケル はは、そうですよね。すみません。ありがとうございます。  姫、太郎を振り返る。太郎、頷く 姫 ねえ、あんた。この辺で何してたの? ここ住宅地だけど。家が近くならまっすぐ走っていけたんじゃない? タケル この近くに神社があるんですけど、そこにお参りに行こうと思って。 姫 へえ、神社なんてあるんだ。でも珍しいわね、あんたみたいな若い男が一人でお参りなんて。 タケル ちょっと、大事な用があって…。はは、やっぱり変ですよね。 姫 大事な用って何? 詳しく話して。 太郎 姫、いきなりすぎます。もうちょっと上手くやってください。もし違っていたらどうするんですか。 姫 しょうがないじゃない、時間がなんだから! タケル え? あの、何なんですか…? 姫 いいから、詳しく話して。もしかしたらあんた、大事なことに関わってるかも知れないから!
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!