モノ語り―問いし君はも―

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タケル あ、えっと。母の形見が無くなってしまって。その神社縁のものだと聞いていたので、一応神様に謝っておこうと思って。何かあったら怖いし、結構大事にしてたので。それに、あの神社に行けば見つかる気がしたんです。 姫 何で見つかるかもって思ったの? タケル 何ででしょう…? あの神社に持って行った記憶はないんですけど、何故かあの場所に置いてきてしまったような気がして…。迎えに行かなくちゃいけないって思ったんです。  暗転  語部登場 スポット 語部 この国の歴史には、神や妖怪、鬼といった今の私たちが目にすることのできないモノが常に存在していました。人間に大きな影響を与えその歴史に深く関わってきたのです。 では今はどうでしょう。その姿をとらえることができる者は限られ、文明の発達によって目に見えるモノしか信じないというようなことを口にする者、存在そのものを否定する者まで出始めている。 しかし、彼らは本当に存在しないモノなのか。それともわれわれ人間と関わることをやめて、どこか違う世界に行ってしまったのでしょうか。(首を振る)
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